現代社会のお金:最大の陰謀?その驚くべき真実と現代金融システムの構造

お金、現代社会最大の陰謀? 現代金融システムの驚くべき真実

序章:お金の起源と変遷

「お金」とは何か? 私たち現代人は、その問いに即答できるでしょうか。 毎日使っているのに、その本質について深く考えたことのある人は少ないかもしれません。 この文章では、お金の起源から現代の金融システムに至るまでを辿り、その驚くべき実態を紐解いていきます。 一見当たり前の「お金」というシステムに潜む、誰も語らない真実とは一体何なのか? ぜひ最後までお付き合いください。

物々交換の限界

かつて、お金が存在しなかった時代、人々は物々交換によって取引を行っていました。 リンゴとトマトを交換する、といった具合です。 しかし、この方法には大きな問題がありました。 自分が持っているリンゴをあなたのトマトと交換したいと思っても、あなたが必ずしもリンゴを欲しがっているとは限りません。 需要と供給のミスマッチ、そして価値の評価の難しさ…物々交換は、取引を著しく制限していました。

貴重な金属の登場:金貨の時代

そこで、取引の中継役を担うアイテムが登場します。 最初は砂や貝殻といったものが使われていましたが、次第に、より希少で耐久性のある金や銀といった貴金属が用いられるようになりました。 金貨や銀貨といったコインは、価値の尺度として取引に使われるようになり、機能的には現代のお金とほぼ同じ存在となっていきました。 しかし、この時代の「お金」は、単なる価値の尺度であり、支配の道具でも、ましてや「幻想」でもありませんでした。

金本位制と金融システムの進化

社会の発展に伴い、商業の成功などで大量の貴金属を所有する者が現れ始めます。 しかし、大量の貴金属を所有することにはリスクが伴います。盗難や紛失の危険性です。安全な場所に保管したいというニーズが生まれました。

金庫番の登場と紙幣の誕生

このニーズに応える形で、貴金属を安全に保管してくれる「金庫番」が登場しました。金庫番は人々から貴金属を預かり、代わりに紙の預かり証(領収書のようなもの)を発行して渡しました。 大きな買い物をするときは、金庫番に預かり証を持って行き、保管されている貴金属を引き出していました。

預かり証の流通と金融システムの萌芽

しかし、何度も金庫番まで引き出しに行くのが面倒になった人々は、預かり証をそのまま相手に渡し、買い物を始めます。この瞬間、預かり証は他人への譲渡が可能な「お金」としての機能を持つようになりました。 そして、預かり証が様々な場所で取引されるようになると、金庫番に保管されている貴金属はほとんど引き出されなくなりました。

金庫番の知恵:お金の創造

この時、金庫番はあることに気づきます。 「こんなに大量の貴金属を眠らせておくくらいなら、一部を誰かに利子を付けて貸した方が儲かるのではないか?」と。 金庫番は、本来は他人から預かっているだけの貴金属を、利子付きで第三者に貸し始めました。

紙幣の増殖と金本位制

誰かが金庫番から借りた貴金属を使って農具を買ったとしましょう。すると、農具屋の主人はこれらの貴金属を再び金庫番に預け、新たな預かり証を受け取ります。 この過程が繰り返された結果、金庫番に保管されている貴金属の量は変わらないのに、市場に出回る預かり証の数はどんどん増えていきました。 金庫番はさらにエスカレートし、貴金属がなくても預かり証を発行し、利子をつけて貸し始めます。 預かり証の総発行額は、金庫番にある貴金属の総額を遥かに上回るようになりました。市場では、預かり証は何でも買える「お金」として機能し続けました。 金庫番は、実体のないところからお金を生み出していたのです。

金本位制の崩壊とフィアット通貨の台頭

時代が進むにつれ、金庫番は銀行へと進化し、預かり証は紙幣へと変化しました。 銀行が誕生したあたりから、無制限に紙幣が発行されることを防ぐため、多くの政府は紙幣の価値を金などの貴金属に裏付ける制度、「金本位制」を採用しました。 金本位制下では、通貨の価値は非常に安定しており、急激な通貨の増減やインフレはほとんどありませんでした。 物価も長期的に安定していました。

しかし、第一次世界大戦の勃発をきっかけに、多くの国は戦争資金を調達するため大量の通貨を必要としました。金本位制では、一国が保有する金以上の通貨を発行できないため、各国は金本位制から一時的に離脱し、大量の紙幣を発行しました。 通貨の価値は暴落し、ドイツではパンを買う間に値段が倍になるという信じられないようなインフレが発生したのです。 各国は次々と金本位制からの離脱を続けました。

1960年代、アメリカはベトナム戦争で大量の資金を必要とし、保有する金以上の通貨を発行してしまいました。 無からお金を作り出すアメリカの行動を見た各国は、ドルの価値が下がることを予想し、保有するドルを金と交換することを要求し始めました。 この動きは世界中に広がり、ほとんどすべての国がアメリカに対し、金の交換を要求しました。 この要求にすべて応えると、アメリカは保有金の大部分を失ってしまうことになります。 ニクソン大統領は、金とドルの交換を一時的に停止する緊急措置を発表しました。

1971年、アメリカはこの決定を下し、ドルと金の結びつきを完全に断ち切りました。 当時、他の国の通貨の価値はドルを基準にしていたため、ドルと金の結びつきの解消は、世界中のすべての通貨と金の結びつきを断ち切ったことを意味します。 この状態の通貨は「フィアット通貨」、もしくは「不換紙幣」と呼ばれ、政府の約束以外に何の裏付けもない通貨です。 現在、日本を含むほとんどの国がフィアット通貨を使用しています。

現代金融システム:無から生まれるお金

現代では、莫大な力を独占している「お金を作る」という権限は、政府と銀行にあります。 ほとんどの国には中央銀行という機関があり、日本は日本銀行がそれに当たります。中央銀行は、国の金庫番のような存在で、その国の通貨を作る役割を担っています。

中央銀行による通貨発行

政府がお金が必要になると、国債という借用証を発行します。これを中央銀行が購入し、代わりに政府にお金を渡します。 日本では間接的な仕組みとなっており、政府が国債を発行し、一般銀行などがこれを購入し、次に中央銀行が一般銀行から国債を購入するという流れです。

しかし、この過程で中央銀行が政府に渡したお金はどこから来たのでしょうか? 答えは無から生まれるのです。 何もなかったところから、中央銀行はそれまで存在しなかったお金を作り出し、政府に渡します。これは、昔の金庫番がやっていたことと本質的に同じです。

銀行貸出によるお金の創造

しかし、実際には、このようにして作られるお金は、現代社会に存在するお金のごく一部に過ぎません。 ほとんどのお金は、別の仕組みによって作られています。

例として、Aさんが住宅ローンを組んだとしましょう。 一般的には、銀行が預金からお金を貸し出したと考えますが、実際には銀行はAさんの通帳に3000万円という数字を記入しただけです。 銀行が預かっている預金や銀行自身の資産は、1円も動いていません。 数字を記入しただけで、銀行は何もないところから3000万円を作り出して、Aさんに貸したのです。 最終的にAさんがローンを完済すると、作られた3000万円は消滅しますが、完済までの数十年間は、市場や社会に流入し、経済活動に参加する実体のあるお金として機能します。

中央銀行以外の一般的銀行でも、何もないところからお金を作れるのです。 世の中のお金のほとんどは、中央銀行によるものではなく、一般銀行のこうした活動によって作られています。 そして、ほとんどの国の中央銀行は、金利と通貨供給量を調整することで、常に市場に多くの通貨が流通する方向に動いています。

インフレと富の再分配:現代社会の陰謀?

金本位制が崩壊した後の社会では、何もないところからお金がどんどん作られ、数十年の間に世界中の通貨の総量は膨大なスピードで膨張し続けています。 このような仕組みは、私たち一般人にとって果たして良いものなのでしょうか?

インフレと貧富の格差

お金が無から作られ、社会にあるお金が際限なく膨らんでいくことは、本来決して悪いことではありません。 膨らんだ分のお金が人々のポケットに入っていけば、皆さんはこれまで通り好きなものを買うことができ、生活水準も変わらないはずです。 しかし、現実にはそうはなっていません。

技術の進歩によって生産効率が大きく上がり、様々なものが作りやすくなっているにもかかわらず、昔は父親が一人で働けば余裕で一家を養えたのに対し、今は共働きでも経済的にストレスを抱えている家庭が多いのは何故でしょうか?

これは、インフレという現象が、人々の財布に直接手を付けるリスクを負うことなく、富を奪い続けているからだと考えられます。 インフレとは、お金の価値が低下し、同じ金額で買える商品やサービスの量が減少していく状態のことです。

20世紀で最も影響力のある経済学者、ジョン・ケインズは、「政府は持続的なインフレを通じて、国民の資産を気づかれることなく密かに収奪している」と述べています。この方法によって、政府は国民から富を奪い取り、多くの人が貧しくなる一方、一部の人だけが莫大な富を得ることになります。

一部の経済学者によれば、インフレの本質は、通貨の購買力を低下させることで、社会の富の再分配を行うことにあるといいます。 新しいお金が作られた後、大手金融機関や事業を持つ富裕層などは、物価が上昇する前に新しいお金を得ることができるため、大きな利益を得ることができます。 一方、会社員など給料で生活している人々は、物価が上昇しても給料がすぐに増えないため、購買力の低下による影響を大きく受けてしまいます。

現在の金融システムは、その設計段階から既に貧富の格差を生み出すことが組み込まれています。 これは、社会の大多数の人々の富を気づかれないうちにごく一部の階級へと集中させ、少数の人のポケットへと移動し続けるものです。

まとめ:現代社会におけるお金の幻想

インフレは、泥棒のように人々の財布に直接手を付けるリスクを負うことなく、富を奪い続けているのです。 これが、現代の人々が昔より多く働いているのに、実際の手元に入る富が少なくなっている根本的な理由です。

現代経済学者の間で広く普及している見方として、「金本位制では世界の金の量が経済成長のスピードに追いつかずデフレが引き起こされる。緩やかなインフレは健全な経済の証である」というものが存在します。 しかし歴史は異なる事実を示しています。 17世紀以降のイギリスやアメリカは、緩やかな物価下落(デフレ)の中で産業革命を成功させ、大きな経済発展を遂げました。

ここで考えるべき本質的な問題は、「金が追いつかない」とされているのが、実体経済で生み出される富の成長に対してなのか、それとも銀行などが作り出す「幻想のお金」に対してなのかということです。 現代社会の状況から、答えは明らかです。「金が追いつかない」のは、無限に作られる「幻想のお金」です。

今回の文章は、インフレが経済にもたらす利点を否定するものではありません。問題視しているのは、経済成長によって増えた大量のお金が特定の階層にだけ集中し、社会全体に行き渡っていないという点です。 このような状況が続く限り、私たちは永遠にこの巨大な幻想の中で踊らされるだけでしょう。

お金は印刷できますが、真の価値を持つ商品、技術、サービスといった真の意味での富は印刷できません。 幻想のお金を垂れ流すのではなく、富を創造することに焦点を当てる社会であれば、きっと人々は豊かになっていくはずです。 人類社会が金庫番時代へ逆戻りしてしまったのは、人々が愚かだからではないはずです。 それは、あらゆる状況を見る限り、権力者たちが無限にお金を産み出せる金庫番システムを望んでいるからではないかと、そう指摘せざるを得ません。

今日もご視聴ありがとうございました。

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